相思相愛だけど、ザックスがセフィロスを強姦してしまう話。
きっかけは些細なことだった、とザックスは思い返す。最近入隊した一般兵、クラウド・ストライフ。最初にあいつと仲良くなったのは俺で、俺が色々とクラウドとのことを話すうちに、セフィロスも興味を持った。
クラウドはセフィロスに憧れていたし、俺とクラウドは友人だし、セフィロスは俺のハニーだし。ここは俺が橋渡し役になろう、ということで、三人で食事に行ったのがつい先日。
その時、俺はセフィロスの様子に少し驚いた。まるで兄が弟を見守るかのような優しい眼差しでクラウドを見ていた。そして優しい穏やかな声で話した。
意外に思ったと同時に、何か胸に引っかかるものを覚えた。氷の1stセフィロスの特別な顔を知っているのは、恋人である俺だけでありたい。子供じみた独占欲だってことは頭では理解してた。でも、感情がついていかなかった。
だから、いつもなら突っぱねる誘いにも乗ってしまった。科学部は俺とセフィロスの関係を知った上で、実験対象としてあれやこれやを仕掛けてくる。その大概がセフィロス目当ての実験だったが、セフィロスが取り合うわけもないので打診はすべて俺に来る。カップルであること前提で話が来るんだから、当然というか下世話なものが多かった。セフィロスの生殖機能に関わることがその大半。適当に受け流していた。
『たまにはセフィロスを思い切り楽しませてやれ』
その言葉とともに押しつけられた、薬剤シート。訳が分からず、とっさに受け取ってしまった。宝条を見つめた俺の顔は、きっとぼけっと呆けていたことだろう。
『リジェネやヘイストはかかるんだから、それだってある程度の効果は期待できるだろう。使ってみて、結果を報告してくれ』
『これ、なんすか?』
『媚薬だよ。飲ませるんじゃない、下から挿れろ』
なんであいつが挿れられる側だって知ってるんだ、とか、座薬かよ、とか、ツッコみたいこと満載だったが、そんなことがどうでも良くなってしまうくらい、俺は渡された薬剤に惹かれてしまった。独占欲が、腹のそこでぐうっと膨れて、支配欲に代わるのを感じた。
クラウドのことでもやもやしている。この凶暴な欲望をセフィロスにぶつけたい。ぐちゃぐちゃに乱れさせて、泣いてよがらせたい。
こうして些細なきっかけだった小さな独占欲は、大事件となってセフィロスを襲った。
「ザックス! やめろ!」
「……抵抗すんなよ」
帰宅するなり、無言で寝室に運ばれたセフィロスは、ザックスの様子を訝(いぶか)しみ、その腕から逃れようとした。しかしザックスは、ベッドに仰向けに押し倒したセフィロスの身体を、覆いかぶさることでしっかり押さえつける。膝を割って足を開かせ、急所をこちらの膝で抑えてやると、びくっと身をすくませて、本気で抗い始めた。
「大人しくしろって」
小さく舌打ちをして、ザックスはシャツの裾から手を滑りこませて、胸の突起をつまんだ。親指と人差し指で、すり潰すように刺激してやる。
「嫌だ!」
かぶりを振って抵抗するセフィロスが、上体をよじってザックスの腕の中から逃れようとする。それを許さず、体重をかけて抑えながら乳首への愛撫を続けた。
「は……うぅ……」
両方の乳首をつまんでこねたり、時折軽く引っ張ったり、乳輪をクルクルとくすぐったりして嬲る。身体を横によじろうとした態勢で押さえつけれられているセフィロス。その顔を覗き込めば、悔しそうに唇を噛みながらも目を潤ませ、快楽を滲ませる表情をうかべていた。
「嫌だって言うけど、感じてんじゃん?」
「はっ……う!」
右の膝でぐりぐりと刺激した、ズボン越しの急所は固くなっている。男の身体は嘘がつけない。セフィロスの身体は特に快楽に素直だった。
「ほんと、感じやすいよなぁ」
「誰のせいっ……!」
「俺のせいって? 可愛い事言うじゃん」
噛みつくような口づけに、セフィロスの抗議は呑み込まれた。唇をしゃぶって、舐めて。薄く開いた歯の間から舌を滑り込ませる。くちゅくちゅと舌を絡め合わせながら、時折口蓋を舐めてやる。膝に当たる性器はどんどん固くなっていった。
「諦めな。そんなに嫌がることないだろうが」
唇を離すと、セフィロスはぷはっと息継ぎをした。キスの間、鼻で息をするのがなかなか上手くならない。吐息がかかるくらいの距離で囁くと、目元を赤く染めた碧の眼差しがこちらを見た。
「嫌だ。今日はしたくないんだ」
「嘘つけ。あんたガチガチじゃん」
「身体はな。気持ちの問題だ」
「なんでしたくない気持ちなの?」
「お前が強引だからだ」
「たまには良いでしょ?」
「良いわけあるかっ!」
尚も暴れるセフィロスを膝に体重をかけて抑えながら、ザックスは上衣を脱いでにやりと笑う。それを見たセフィロスは、いよいよ自分の身が危ないと思った。
ザックスが自分を痛めつけるとは考えにくい。しかし、今日のザックスはおかしい。セックスにおいては強引な時もあるが、嫌がるものをここまで無理強いされたことは無い。
何があったんだ。
「ザックス、お前どうしたんだ! おかしいぞ!」
「おかしくなんかないって」
「これじゃ強姦だ!」
「安心しろよ。あんたから欲しいって言わせてやるから」
ザックスは、セフィロスのズボンと下着を一気に引き抜く。その隙にザックスを蹴り上げようとするも、足首を捉まれていてできなかった。
「大丈夫だって、怖くない怖くない」
「お前が言うな! 十分恐ろしい!」
もがくセフィロスにザックスもだんだんと焦れ始めた。
「セフィ、お願い、今日は俺の言うこと聞いて」
何かあったんだろうか。いや、あったに違いないだろう。何も説明せず、縋るように自分を抱こうとするのはどうしてなのか。セフィロスは、ザックスを見た。吸い込まれそうな黒い瞳に、情欲の火が灯っている。一瞬、身を預けそうになるが、屈服するのはプライドが許さなかった。
「断る。どけ」
セフィロスはザックスの目をまっすぐ見ながら、はっきりとした口調で言った。事情を問いかけるつもりだった。だが、ザックスの目が細められ、ついに獲物を狩る獣の目になった。
「そっか。……ごめん、今日は引いてやれない」
諦めてな、と耳元で囁いてから、ザックスはセフィロスの足元にたぐまっている衣服を抜き取った。
「セフィ、いい子にしててな」
「……どうしてもやるのか」
「セフィの乱れるのが見たい」
「……嫌だって言ってるのにか?」
「イイって素直に言うことなんてそうないじゃん」
セフィロスは黙ってしまった。確かに、自分はセックスの最中、なかなか素直になれない。ザックスは不満なのだろうか。小さな不安がよぎった。
セフィロスが戸惑っている間に、ザックスはセフィロスの両腕を後ろに回させた状態で、シャツの前を開き、少し脱がしてから袖の部分を縛る。
「なっ……ザックス!?」
「今日は抵抗するだろうからな。大人しくしてろよ。喘ぐのは大歓迎」
身ごろの部分の布も丁寧に巻き付けられ、セフィロスは後手にきっちり拘束された。
「さあてセフィたん、ゆっくり可愛がってやるぜ?」
もう、セフィロスからは戸惑いなんてふっとんだ。これはやばい、マズイ!逃げないと!セフィロスは遮二無二暴れてザックスから逃れようとするが、うつ伏せにして腰を膝で抑えれればもう成す術が無かった。
「やめろ! 嫌だ!」
「はーい、じっとして」
「ひっ!」
くちゅり、と濡れた音。それから秘密の場所に感じる濡れた感触。セフィロスの秘孔をザックスが舐め始めた。
「ああ! や!」
ぴちゃり、くちゃり、と舐めまわされるうち、孔はひくひくと収縮を始める。そこに舌をねじ込んで、ザックスは孔の中までねぶった。セフィロスは身をくねらせる。性器は勃ち上がり、先端からとろとろと透明な蜜を零す。
「セフィ、気持ちイイんだろ?」
舌と一緒に指も挿入される。ぐっと奥まで挿入された指に前立腺の膨らみを押し上げられると、脳天まで突き抜けるような快楽が走った。
「抜け! っふ!」
かぶりを振るせいで、セフィロスの髪がぱさぱさとシーツを撫でる。
「素直じゃないなあ。じゃ、素直にしてやるかな」
ザックスはあらかじめズボンのポケットに忍ばせていた、先程宝条から受け取った薬剤を取り出した。右手と歯で器用に、銀の小分けになっている封を切ると、白いロケット型の薬剤をつまみ、セフィロスの顔の前に持っていく。
「これ、なーんだ?」
セフィロスは全然分からないらしい。訝しんでいる。
「座薬って分かる? 尻の孔から入れる薬」
「な……っ!」
「力抜いとけよ」
セフィロスが身構えるより先に、薬を蕾に押し付ける。白い固形物はつぷりと蕾を割り、中に吸い込まれていった。気持ちが悪いらしく、息を詰めるような声が漏れる。薬は違和感と共にゆっくりと腹の中を進み、途中で感触は無くなった。
「何の薬か分かるかな?」
ザックスは欲望にギラついた視線でセフィロスを見つめながら、腕の拘束を解き、仰向けに押さえつけて今度は前で腕を縛った。セフィロスはザックスを見上げた。こんな時に使う薬なんて知れている。
「セフィが俺のことを欲しくて欲しくてたまらなくなる薬だよ」
そう言うと、ザックスはセフィロスの隣に寝転び、白い身体を抱きしめた。温かい体温に包まれながら、徐々にセフィロスの体温は上がっていく。息が荒くなり、頬が上気して、腰をもじもじとよじり始めた。
「お、効いてきた?」
「ザック……はぁっ……どこで、こんなもの……」
「宝条がくれた」
「ふざけ……っく!」
「セフィ、めちゃ興奮する……どうして欲しい……?」
セフィロスはなんとか抗おうとする。しかし、強い薬の作用に、いくらも保たなかった。
「あ……触って……」
「どこ?」
薬を盛られ、自分の意思を全て無視されて。プライドを粉々に砕きながら、身体が暴走する。セフィロスは悔しさに涙を流すも、ついに陥落した。
「後ろ……指入れて……」
「よくできました」
ザックスは微笑んで、ローションでたっぷりと指を濡らし、セフィロスの秘孔に挿入した。
「あああ! やああ!」
泣きながらよがるセフィロスの前立腺を、人差し指と中指でこねるように刺激する。腰をよじろうとするのを押さえつけ、性器を口内に導き愛撫する。くちゃくちゃとザックスの口の中でもみくちゃにされる性器は、涙のように先走りを零した。前と後ろを同時に嬲られて、セフィロスはすすり泣くような喘ぎを漏らす。
「っも! もうイく! イく! あああっ!」
つま先をピンと引き攣らせ、ガクガクと下半身を痙攣させながらセフィロスは達した。放出する間も容赦なく性器の先端を吸われ、泣きながら最後の一滴までを絞られる。
「苦し……うぅ……」
受け止めきれないくらい強い快楽に苛まれたセフィロスの後孔から、指を抜き取ってザックスはその身体への愛部を止める。セフィロスに己を強請らせるためだ。
「セフィ、次は……?」
「……ザックスの、挿れてくれ……」
とろりと快楽に溶けた瞳でねだられ、ザックスは己の欲望が膨らむのを感じた。ズボンと下着を脱ぎ捨て、セフィロスの口元に性器を押し付ける。
「セフィ、濡らして……」
セフィロスはためらうことなく口を開き、ザックスの性器をしゃぶり始めた。自分をじっと見つめながら口淫を施すその姿に、ザックスはぞくぞくとした支配欲が背筋を這い上がるのを感じた。
「は……セフィ、こぼすなよっ……!」
ザックスはドクリ、とセフィロスの口内に射精した。粘つく白濁を吐き出すことを許さず、全て嚥下させる。
セフィロスの白い喉が、こくり、と上下した。
「いい子だ、セフィ」
ザックスはローションで自らの性器を濡らしつつ、数回こすって再度臨戦態勢に育てる。
「ザックス、挿れて、挿れてくれ……! 後ろ……」
むず痒いような熱に苛まれるセフィロスが必死で強請る。ザックスにも、もう焦らすような余裕は無かった。
「しっかり咥えろ、よ……!」
「ひあああっ!」
ついに、ザックスはセフィロスの後孔に欲望を突き入れた。ゴリゴリと前立腺をえぐり、直腸内を擦り上げ、結腸を突き上げてやる。
「あああ! だめぇ! やああっ……!」
数回腰を打ち付けた後、奥まで挿入した状態でグイグイとついてやると、セフィロスは立て続けに絶頂した。
「あああん………ひ………」
びくびくと痙攣する身体を抱きしめながら、ザックスは自らの絶頂を目指す。
「セフィ……セフィ……愛してる」
口付けながら突き上げ、ザックスも欲望を開放する。しかし一度で終われるはずもなく、その晩、ザックスは明方近くまでセフィロスを貪った。
セフィロスが目を覚ますと、すっかり昼過ぎだった。
「起きたか」
ガチャリ、と寝室のドアが開いてザックスが顔を出す。セフィロスは昨夜の自分の痴態と、ザックスにされた仕打ちを思い出し、目を逸らした。
「あーセフィ……昨日はごめん。その」
ザックスはベッドまで来ると、セフィロスを抱きしめて、昨日の出来事を話し始めた。セフィロスはうん、うん、と聞いていたが、覇気がない。
「セフィ、本当にごめん……」
「……風呂、入ってくる」
セフィロスはザックスと目を合わさないまま、よろけながらもバスルームへ向かった。ザックスが支えようとした腕を振り払って。
「……まずい」
ザックスは、なんて謝ろうかと考えながら、セフィロスが風呂から上がるのを待った。
20160122