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※モブ姦、輪姦シーンがあります。

※浣腸・排泄シーンがあるので、苦手な方は次のページ(2ページ目)を飛ばすか、或いは閲覧をお控え下さい。​

20160721の日

 沈んでいた意識が、ゆっくりと浮上する。

 セフィロスは微睡(まどろ)みから目覚め、寝台の上で軽く伸びをした。

 彼の居る部屋は殺風景だった。今、長身を横たえている簡素な寝台と、小さなテーブルと椅子、それから洗面台とトイレがあるだけ。シーツの白やコンクリートのグレイで、色も無彩色だった。

 セフィロスは身を起こし、寝台から足を下ろす。足首に繋がれた輪と鎖がジャラリと音を立てた。


 

 捕虜になってしまった。それはセフィロスと神羅両者にとって、全くの誤算だった。

 神羅兵を引き連れて魔晄炉の調査に向かい、任務完了までは良かった。しかし問題はその帰り道で起こった。引き連れていた神羅兵たちに囲まれ、状況が理解できないうちにあれよあれよと拉致されたのだ。

 セフィロスは生まれてこの方戦闘で負けた事などないし、ましてや捕まった事もない。外見に似合わずかなりすっとぼけた天然であるがゆえ、恐怖を覚えたり焦ったりする以前に、ぽかんとボケていたのだ。そして気がついたら、こうして鎖に繋がれこの寝台に寝かされていた。

 よく分からないが、神羅にさっさと戻らなければ。そう思って、いつもの様に馬鹿力を発揮して鎖を引き千切ろうとした。

 しかし、それができなかったのだ。おかしな事に、セフィロスの馬鹿力が全く通用しない。ギリギリと歯噛みして、ならばと魔法の発動を試みたが、魔法は放てなかった。それもそのはず、マテリアは全て没収されていて、腕に装着した銀のバングルごと無くなっていた。普通に考えて、捕虜の武装を解除するのは当然の事だろう。


 

 セフィロスは洗面台で顔を洗った。口も軽く濯(すす)ぐ。そしてペタペタと素足で床を歩いて、寝台に戻る。足元の鎖もジャラジャラと追いかけて来た。

 ぼすん、と仰向けに倒れて、少し見慣れてきた天井を睨む。これで、ここで朝を迎えるのは二回目。

 結局の所、自分が引き連れていた新羅兵たちはウータイ残党の間者だった。数人が神羅内部に入り込んでいて、その者たちが工作し、ウータイ兵残党に神羅の制服を着せてセフィロスのミッションに同行させたのだった。

 長かったウータイとの戦争も終結し、セフィロスが最前線に立つこともめっきり無くなっていたので、彼も神羅も慢心していたのかもしれない。しかし、後悔したところで事態は打破できない。

 そこでセフィロスは暫(しばら)く大人しく捕まっておいて、様子を見ようと考えた。この忌々しい鎖さえ外せれば、こんなアジト一網打尽にしてくれる。通信機器も奪われた今、神羅から指示を仰ぐこともできない。かといって救出されるのを待つ程に事態が悪いとも思えない。

「おい、飯だぞ」

 扉が開き、ウータイ残党の兵士が食事を運んで来た。

「ご丁寧に食事を与えてくれるのだな」

「昨日も言ったが、俺達は別にお前を飢えさせたいわけじゃない」

 兵士は小さなテーブルに食事の載ったトレイを置き、セフィロスに椅子に座るよう促した。セフィロスが寝台から身を起こし、すぐ側(そば)にあるテーブルの前の椅子に腰を降ろす。足元で、鎖が音を立てた。

「なぁ、これ、外してくれないか」

 枷の嵌(はま)った足を上げて見せる。

「それはできない」

 セフィロスは肩を竦(すく)めて苦笑いした。まぁ、そう上手くはいくまい。

「貴様はいつも俺が食事の間中、相手をしてくれる」

「変な真似しないよう、見張っているんだ」

 屈強な男に見守られながら、セフィロスは静かに食事を始める。温かく、素朴で美味い食事だった。

 食事を終えると、兵士が一緒に持って来ていたタオルでセフィロスの口元を拭(ぬぐ)った。

「……何をするんだ……」

 ギクリとして、セフィロスが兵士を睨んだ。昨日はこんな事されなかった。

「お前の世話が俺に与えられた任務なんでな。汚れていたから拭いたまで」

 当然の事をしたまでだと返され、セフィロスは面食らった。手は自由だから、そこまでしてもらう必要は無い。

 兵士は空になったトレーを持つと、部屋を出て行く。扉を閉める前にセフィロスに念押しをして行った。

「その鎖を引き千切ろうなんて考えるんじゃない。それは我らの術師によって呪(まじな)いを施(ほどこ)してある。決して外れない」

 扉が閉まる音が、部屋に響いた。  

 一体何が目的なのか、セフィロスにはとんと分からなかった。することもなくなり、再びぼすんと寝台に倒れる。

 鍛え上げられた肉体は、細身ながらにしなやかな筋肉に覆われており、完成された男性美を誇る。しかしその顔は、凛々しくもどこか中性的な美しさを持つ。絹のようになめらかな銀の髪は腰より下まで伸ばされていて、それも余計に中性的な印象に拍車をかけているのかもしれない。

 絹の銀糸が、セフィロスの美貌にかかる。はらり、と、音が聞こえそうな光景だった。

「とにかく鎖を外さないと……」

 ぽつりと呟かれた、低く甘い声での独り言。セフィロスは上掛けを被って、横を向いて体を丸めた。

「おい、起きろ」

 そっと頭を撫でられる感触でセフィロスは目覚めた。いつの間にやらうたた寝をしていたらしい。

「ん……」

 目を開けて、自分を起こした兵士を見る。あの食事を持ってくる兵士だ。

「ちょっとお前を連れて行かなくちゃいけない所ができた。……なに、大人しくしていれば怖い事はない」

 起き上がるように促されて身を起こす。

「いいか、兎に角、大人しく言う事を聞け。そうすれば怪我をすることもない」

 セフィロスは訝(いぶか)しく思い、眉を顰(ひそ)める。どういう事だろうか。拷問部屋にでも連行するのだろうか。

 足首の鎖はベッドから外され、兵士が自らの腕に括りつける。セフィロスはまるで犬のように鎖に繋がれたまま、別の部屋へと連れて行かれた。

「ここだ、入れ」

 兵士に連れられて来たのは、奥まった場所にある部屋だった。扉の前に立つと、かすかに中の喧騒が漏れ聞こえる。兵士が扉を開けて先に入り、足首を鎖で繋がれているセフィロスが続いた。

 部屋にセフィロスが入った途端、それまで割れんばかりに響いていた喧騒がピタリと止む。室内は酒と煙草の匂いが充満していた。酒宴の席に連れて来られたようだ。

「さて、お前たち。今日のお楽しみが来たぜ」

 きっとこの中では地位がある者だろう、複数の男達の中で、少し離れた場所に座っていた男が立ち上がり、声を張った。

 薄暗い室内でよく見えないが、セフィロスは魔晄眼を光らせて男たちの顔を見た。案の定、見知った顔がいくつもある。セフィロスが新羅兵だと思いミッションに同行させた部隊の者達だった。

「いいか、大人しくしているんだぞ」

 世話係の兵士は再度言い含めると、鎖のついたベルトをセフィロスの首に巻いた。

「おい、なんの真似だ……!」

 セフィロスの怒声には一切反応せず、淡々とベルトの金具を留めて、鎖の先を室内の床から伸びたバーのようなものに繋ぐ。足の枷は外された。

 セフィロスは自分に首輪をつけ、あまつさえ鎖で繋いだ世話係の兵士を睨みつけたが、兵士はセフィロスの事を冷静な瞳で見つめるばかり。

「服は前開きだな……剥(む)け」

 先程声を張り上げた、地位のありそうな男が命じる。複数の腕がセフィロスの肢体に伸びて来た。

「な……っ!」

 服を脱がそうとする腕に抵抗すると、容赦なく腕を後ろ手にしてうつ伏せに床に押し倒される。床と言っても、ウータイ風なのか、板の間ではあるが皆靴を脱いでから上がるので、汚い訳ではない。ただひんやりとしていて、肌に直(じか)に板の間が触れてセフィロスは小さく身を震わせた。

 セフィロスは前開きの上衣が脱がされ、抵抗する足も押さえつけられ、下着ごと下の衣類も引き抜かれた。

「何をする……!」

 床に頬を押し付けられた状態で、セフィロスは男たちに命令を下している男を睨みつける。地位のありそうなその男は、見事な黒髪を短く刈り込み、精悍な顔立ちだった。黒い瞳には静かな炎が燃えているようで、自信と強い意思が宿っていた。

「この状態で、まだ分からないか。……お前は今からここで、俺達の酒の肴になってもらう」

「……?」

 言われた意味が分からないセフィロスは、床に全裸の肢体を押し付けられながらも、魔晄の瞳で男を睨(ね)めつける。その瞳には翠の怒りが燃えていて、暗闇に浮かび上がるミルク色のなめらかそうな肌とのギャップがひどくなまめかしい。

 男は美しいセフィロスが射殺しそうな視線で睨みつけるのが面白いようで、くすりと笑うとセフィロスの頭のところにしゃがんだ。そして顎を指で捕まえられ、男の方にグイを向かされる。

「まだ名を名乗っていなかったな、これは大変失礼。俺はこのアジトのリーダーで……そうだな、ご主人様、とでも呼んでもらおうか」

 周りが下品に囃し立てる。いい格好だ、とか、ご主人様の靴を舐めてみろ、とか。一層苛烈な炎を宿らせた魔晄の瞳が男を睨む。

「……貴様は差し詰め隊長、といったところか。俺に何をしたい」

「だから教えてやっただろうが。ここで慰み者になれ。……俺達の前でスケベなショーをしてもらうのさ」

 見開かれる魔晄の瞳。

「ふざけるな! 断る!」

 話にならないと、セフィロスは自分を組み伏せる複数の男どもを払いのけて立ち上がろうとした。しかし――。

「――――!?」

「できまい。この首輪も、足枷と同じだ」

 ギリリ、とセフィロスが奥歯を噛み締めた。そのまま遮二無二暴れようとする。

「こら! 大人しくしろと言っただろうが!」

 世話係の兵士がセフィロスに怒鳴る。そして彼の腕を後ろ手に回し、手枷を嵌めた」

「まあいい。じきに己の立場を理解するだろう……始めろ」

 主人と呼べ、と言い放った彼らのリーダーの静かな宣言で、セフィロスはその躰を良いように弄ばれる事となった。

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